「今年も、そろそろ採用の時期か」——その“イベント”思考が、御社の採用を年々苦しくしているのかもしれません

「そろそろ来年の採用活動、動き出さないとな」——毎年、決まった時期になると社内でこんな会話が始まる。そんな会社は、決して少なくないはずです。

求人票を作り直し、媒体を選び直し、スケジュールを組み直す。毎年のことなのに、なぜか一からやり直しているような感覚になる。そして気づけば、「今年こそは早めに動こう」と思っていたはずなのに、結局いつもと同じような時期に、同じように慌ただしく動き出している——そんな経験はないでしょうか。

一方で、周りを見渡すと、採用活動をもっと早く、もっと長く、まるで一年を通してずっと動いているように見える会社もあります。「うちも早くしないと」と焦りながらも、具体的に何をどう変えればいいのか、よくわからないまま今年も同じ時期を迎えてしまう——。

もしかすると問題は、「動き出すタイミングが遅い」ことそのものではなく、採用を「年に一度のイベント」として捉えている、その前提自体にあるのかもしれません。今日は、多くの会社が当たり前だと思い込んでいる「採用はイベントである」という発想について、一緒に考えてみたいと思います。

1.なぜ多くの会社は、採用を「年に一度のもの」だと思い込んでいるのか

採用活動には、予算の申請時期があり、社内稟議のタイミングがあり、部署ごとの繁忙期があります。こうした会社の都合に合わせて動いていると、自然と「採用は、この時期にまとめてやるもの」という感覚が定着していきます。

さらに、多くの会社にとって採用は「日常業務」ではなく「特別な業務」です。普段は別の仕事をしている担当者が、その時期だけ採用にかかりきりになる、という体制の会社も珍しくありません。そうなると、どうしても「今は採用の時期ではないから、考えなくていい」という空白の期間が生まれてしまいます。

けれど、少し視点を変えてみてください。御社にとって採用が「特別な時期にだけ行うもの」だとしても、候補者となる人たちにとって、転職や就職を考えるタイミングは一年中バラバラです。会社の都合で作られた「採用の時期」と、候補者が実際に動き出す「本当のタイミング」は、そもそも一致していないのかもしれません。

2.「動き出すのが早い会社」が、実は特別なことをしているわけではないという事実

「早期から動いている会社は、よほど採用に力を入れているのだろう」——そう思われがちですが、実際のところ、彼らが毎年まったく新しいことを一から考え直しているわけではないケースは多くあります。

早くから動けている会社の多くは、「今年、何を新しく始めるか」ではなく、「去年からずっと続けてきたことを、今年も少し手直しして続ける」という状態にあります。つまり、スタートが早いのではなく、そもそも「止まっている期間」がない、という違いなのです。

一方、採用をイベントとして扱っている会社は、活動が終わるたびに一度すべてが止まります。担当者の意識も、社内の関心も、いったんゼロに戻る。そして次の年、また一からエンジンをかけ直すところから始めなければなりません。同じ距離を走るにしても、走りっぱなしの相手と、毎回スタート地点からやり直す自分とでは、見えている景色がまったく違って当然です。


3.「毎年ゼロから考え直す」ことに費やしている、見えないコスト

採用をイベントとして扱う一番の弊害は、実は「出遅れること」自体よりも、「毎回ゼロから考え直すこと」に時間と労力を使ってしまうことにあります。

去年出会った、惜しくも縁がなかった候補者はどうなったか。去年の採用活動で見えてきた「うちの会社の魅力の伝え方」や「うまく響かなかった言葉」は、きちんと蓄積されているか。多くの会社では、こうした一つひとつの経験が、活動が終わると同時に記憶の奥にしまわれ、次の年にはまた新しく思い出すところから始まってしまいます。

御社では、「なぜあの候補者は他社に決めたのか」「なぜあの求人は反応が良かったのか」といった振り返りが、翌年の活動が始まる前に、きちんと言葉として残されているでしょうか。もし答えに詰まるなら、それは担当者の力量の問題ではなく、採用を「その都度終わるもの」として扱ってきたことの、当然の結果なのかもしれません。

4.採用を「点」から「線」に変える前に、社内で確かめておきたいこと

「では、うちも通年で採用活動をしよう」と考えたとき、多くの会社はすぐに「常に求人を出しっぱなしにしよう」「担当者を専任にしよう」と、体制づくりの話に飛びつきがちです。

けれど、体制を整える前に、実はもっと根っこの部分で確かめておくべきことがあります。

それは、「うちの会社にとって、採用活動を通じて本当に積み上げていきたいものは何か」を、社内で言葉にしてみることです。

単に「求人の露出を切らさない」ということなのか、それとも「良いと思った人との関係を、縁がなかった年もつなぎ続ける」ということなのか。

この土台の考え方が定まらないまま「とにかく通年でやろう」と動き出しても、結局は形だけが変わって、中身は相変わらず「その場しのぎ」のままになってしまいます。

まずは、自社の採用が今、一年の中でどこが「動いていて」、どこが「止まっているのか」を見える形にしてみること。それこそが、採用を単発のイベントから、途切れない一本の線に変えていくための、最初の一歩です。

まとめ

「毎年、同じ時期にバタバタしてしまう」——そう感じても、日々の業務に追われる中で、自社の採用がなぜ止まったり動いたりを繰り返しているのかを、一から見直す時間はなかなか取れないものです。

まずは、自社の現状を言葉にして整理してみることが第一歩です。

「一年のうち、採用について考えている時間はどれくらいあるのか」

「止まっている期間に、何を失っているのか」

——それを一つひとつ言語化していくだけでも、見えていなかった課題がはっきりしてきます。

一人で抱え込まず、一緒に頭の中を整理してみませんか?

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    みなさん、こんにちは。アンデア代表の吉開です。

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