「条件にはぴったりなのに、なぜか活躍しない」——それ、御社が”求める人物像”を信じすぎているせいかもしれません

「コミュニケーション能力が高くて、主体性があって、素直で、できれば経験者で」——求人票や採用会議の場で、こうした”求める人物像”を一生懸命に書き出したことはないでしょうか。

条件を細かく詰めれば詰めるほど、良い人に出会える確率は上がるはずだ——多くの会社は、そう信じています。実際、採用がうまくいっていないと感じたとき、「もっと条件をはっきりさせよう」「求める人物像をもう一段階具体的にしよう」という話し合いになった経験がある方も多いのではないでしょうか。

けれど、少し立ち止まって振り返ってみてください。条件をどれだけ細かくしても、「この人だ」と思って採用したはずの人が、思ったように活躍しない。逆に、当初の条件にはあまり当てはまらなかった人が、入社後に驚くほど力を発揮する——そんな経験はありませんか。

もしかすると、問題は「求める条件」が甘かったことではなく、「求める条件」というもの自体を、少し信じすぎていることにあるのかもしれません。今日は、多くの会社が疑うことなく前提にしている「求める人物像」というものについて、一緒に考えてみたいと思います。


1.「求める人物像」は、実は誰かの顔を思い浮かべて作られている

採用会議で「求める人物像」を決めるとき、私たちは何もないところから条件を考えているわけではありません。多くの場合、頭の中には無意識に「あの部署のあの人みたいな人」「今まで活躍してくれたあの先輩のような人」というイメージが浮かんでいます。

つまり「求める人物像」とは、ゼロから導き出された客観的な条件ではなく、過去にたまたま出会えた”良い人”の特徴を、後から言葉にしたものであることが少なくありません。

これ自体が悪いわけではありません。ただ、御社が今掲げている条件が、本当に「これから会社が必要としている人」を表しているのか、それとも「過去にうまくいった、ある一人の記憶」を表しているだけなのか——この二つを、混同したままにしていないでしょうか。


2.条件を足せば足すほど、候補者が減っていくという矛盾

「求める人物像」を考えるとき、私たちはつい「あれもできてほしい」「これも持っていてほしい」と、条件を足し算していきがちです。一つひとつの条件は、どれも「あった方が良いに決まっている」ものばかりなので、削るのが難しく感じられます。

けれど、条件は足せば足すほど、それに当てはまる人の数は掛け算的に減っていきます。10個の望ましい条件をすべて満たす人を探そうとすれば、市場にそもそも存在しない人物を探していることになりかねません。

御社が今出している求人票やペルソナシートを、一度数えてみてください。そこに並んでいる条件は、本当に「絶対に譲れないもの」なのか、それとも「あったら嬉しいもの」が紛れ込んでいないか——この仕分けができていないまま条件を積み上げていることが、「いい人がなかなか見つからない」という感覚の、一つの正体かもしれません。


3.「条件に合っているか」と「一緒に成長できそうか」は、別の問いかもしれない

条件に忠実な人を採用したのに活躍しない、あるいは条件からは外れていた人が思いがけず伸びる——こうした現象が起きるのは、そもそも「採用」という営みに対して、私たちが立てている問いが少しズレているからかもしれません。

「この人は、うちが求める条件に合っているか」という問いは、いわば”完成品を探す”問いです。一方で、「この人は、うちに入ってから、会社と一緒に伸びていけそうか」という問いは、まったく別の視点を必要とします。

どちらの問いを重視するかによって、面接で見るべきところも、評価の仕方も変わってきます。御社の採用は、知らず知らずのうちに「完成品を探す採用」に偏ってしまっていないでしょうか。もしそうだとしたら、「条件に合う人はいるのに、なぜか長続きしない」という悩みの答えは、条件表の中ではなく、この問いの立て方そのものの中にあるのかもしれません。

4.条件表を作り直す前に、社内で確かめておきたいこと

「求める人物像」に問題があるかもしれないと気づくと、多くの会社はすぐに「では条件を作り直そう」「ペルソナシートを新しくしよう」と、フォーマットの更新に向かいがちです。

けれど、フォーマットを作り替える前に、実はもっと大事な確認作業があります。それは、「今の条件は、誰の、どんな経験をもとに作られたものなのか」を、採用に関わるメンバーの間で一度洗い出してみることです。

面接官によって、頭の中にある「良い人のイメージ」がバラバラなまま条件表だけを共有しても、結局は運用の場面でまた個人の解釈に戻ってしまいます。まずは、自社が今「求める人物像」として掲げているものが、どこから来た、どんな前提に基づく条件なのかを、言葉にして見える形にしてみること。それこそが、条件を信じすぎることから抜け出すための最初の一歩です。

まとめ

「求める人物像がしっかり定まっているのに、なぜか採用がうまくいかない」——そう感じても、日々の業務に追われる中で、その条件がどこから来たものなのかを一から見直す時間はなかなか取れないものです。

まずは、自社の現状を言葉にして整理してみることが第一歩です。

「今の求める人物像は、誰の、どんな経験をもとに作られているのか」

——それを一つひとつ言語化していくだけでも、見えていなかった課題がはっきりしてきます。

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    みなさん、こんにちは。アンデア代表の吉開です。

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