人的資本開示の裏側にある「エクセル地獄」の正体——投資家が見抜く、形だけの戦略から脱却するには

*①「人的資本開示」が義務化され、企業の「人」に対する姿勢がかつてないほど問われる時代になりました。

多くの企業が、投資家や市場に向けて「いかに人を大切にしているか」「いかに戦略的な採用を行っているか」を美しくまとめ上げ、公表しています。しかし、その華やかな報告書の裏側で、現場の採用担当者が膨大なエクセルシートの数字を合わせることに忙殺され、疲弊しきっている……。そんな光景が、あちこちで見受けられます。

「立派な戦略はあるのに、なぜ現場の採用は楽にならないのか?」

「開示する数字は整ったのに、なぜ『欲しい人材』には出会えないのか?」

もし、貴社がこのような違和感を抱えているのだとしたら、それは単なる集計作業の手間の問題ではありません。経営が語る「理想の物語」と、現場が直面している「泥臭い現実」の間に、深刻な思考のズレが生じている可能性があります。

本記事では、人的資本開示という追い風を、組織の採用力を底上げする本当のチャンスに変えるために、今一度立ち止まって整理すべき「問い」を提示します。

*①人的資本開示とは、企業が人材(人的資本)への投資や活用状況、成果を社内外に開示することです。2023年3月期決算から約4000社の上場企業に義務化されており、女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金格差の「3指標」などが有価証券報告書への記載義務対象です。

引用元:リクルートマネジメントソリューションズ 


1.採用現場のよくある悩み・違和感

「人的資本開示」という言葉が飛び交い、統合報告書や有価証券報告書には、華やかな人材戦略や*②ダイバーシティの数値が並ぶようになりました。しかし、その裏側にある現場の実態はどうでしょうか。

多くの企業では、開示のための数値を集めるだけで精一杯になっています。

  • 「離職率や研修時間を集計するために、何十ものエクセルを突合させている」
  • 「経営層からは『他社に見劣りしない数字を』と指示が出るが、現場には何の還元もない」
  • 「とりあえず数値は埋めたが、それが自社の成長にどう繋がっているのか誰も説明できない」

こうした「開示のための開示」に追われる現場には、ある種の疲労感が漂っています。そして、その違和感は、実はもっとも鋭い視点を持つ「投資家」や「候補者」にも確実に伝わっています。

*②ダイバーシティ(Diversity)とは「多様性」のことで、性別、年齢、人種、国籍、障害の有無、性的指向、価値観など、異なる属性や背景を持つ人々が組織の中で共存し、互いの個性を尊重し合う状態を指します。ビジネスにおいては、多様な人材を活用し、イノベーションや組織の競争力向上につなげる経営戦略として重要視されています。

引用元:堺市


2.なぜ起きるのか

なぜ、戦略的なはずの人的資本経営が、現場を疲弊させる「エクセル地獄」に変貌してしまうのでしょうか。そこには、「手段の目的化」という構造的なズレが潜んでいます。

本来、人的資本開示は「自社がどういう価値を創造するために、どのような人材が必要か」というストーリーを伝えるためのものです。しかし、多くの組織では、指標(KPI)を埋めること自体がゴールになってしまっています。

  • 情報の断絶: 経営が語る「理想の戦略」と、人事が管理する「バラバラのデータ」、そして現場の「採用実態」が紐付いていない。
  • 思考の停止: 「どの指標を出すか」という横並びの議論に終始し、「なぜその指標が自社に必要なのか」という独自のロジックが欠如している。

投資家が見ているのは、算出された数値の良し悪しだけではありません。その数値の背景にある「一貫性」です。現場がエクセル集計に追われているだけの組織は、往々にして「採用の定義」や「組織のあり方」の整理が、データ集計以前に止まってしまっているのです。


3.整理された考え方の提示

「見せかけの人材戦略」から脱却するために必要なのは、新しいシステムを導入することでも、開示項目を増やすことでもありません。まずは、以下の3つのレイヤーで「整合性」を問い直すことです。

  1. 事業目的と採用要件の接続: その採用は、事業のどのフェーズの、どの課題を解決するためのものか。
  2. 現状の可視化: 数値を集める前に、「今、現場で何が起きているのか」という定性的な事実を棚卸しできているか。
  3. 「問い」の共有: 現場、人事、経営の三者が、同じ言葉で「自社にとってのいい人材」を定義できているか。

エクセル地獄の本質的な原因は、ツールの不備ではなく、「何を測るべきか、何を目指すべきか」という共通言語の欠如にあります。ここが整理されていないまま、器(報告書)だけを整えても、組織としての採用力は上がりません。


問い:あなたの組織の「人材戦略」は、現場の納得感に基づいたものになっていますか?

最後に、以下の問いを自社に投げかけてみてください。

あなたの組織の「人材戦略」は、現場の納得感に基づいたものになっていますか?
それとも、報告書を埋めるためだけの「数字遊び」になってはいないでしょうか。」

  • 「開示項目は揃っているが、採用の現場では相変わらず『いい人がいない』と嘆いている」
  • 「経営層と現場で、求めている人物像の解像度がバラバラである」
  • 「自社の強みを、データではなく『自分の言葉』で語れる面接官が少ない」

もし、一つでも心当たりがあるのなら、それは手法の問題ではなく、構造の整理が必要なサインかもしれません。

AMDEAでは、御社の採用や組織の現状をフラットに棚卸しし、表面的な数値に振り回されない「本質的な整理」をお手伝いしています。まずは、貴社が抱える違和感をそのままお聞かせください。



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    みなさん、こんにちは。アンデア代表の吉開です。

    私の実家は、福岡県の田舎で小売店を営んでいます。東京で仕事をしていましたが、コロナ禍で父が体調を崩し、福岡へ帰省することに。ありがたいことに、50年以上も地元の方々に愛されてきた店舗をなくすわけにはいかず、家業を手伝い始めました。ですが、そこで目にしたのは、想像を超えたアナログな光景でした。PCができない父、売上入力に追われる母、指示待ちのパートさん、FAXや電話での確認……。デジタルが普及した今でも、効率化にはほど遠い現状に言葉を失いました。
    そこで、まずは補助金を活用してレジの導入やPC、FAX機の買い替えなど、できる限りの改善を行いました。それでも、季節商売特有の繁忙期の負担や、まばらな売上には頭を悩ませていました。そんな中、店舗で公式LINEを導入し、来店される方々へセール案内やクーポンを配信したところ、来店頻度が増え、売上も上向きになったのです。
    この成功を機に、エステサロン2店舗をOPENし、LINEマーケティングの可能性をさらに実感しました。LINEを通じたお客様への情報配信がリピーターを生み、固定客へと育てることで安定した売上に結びついています。
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